夜中に目が覚めてしまって
朝からずうっと内職の仕事をして
夜になったし出かけようかな、なんて仕度をしていたけど
やはりすこし眠かったみたい
うたた寝をしてしまっていた
身体の中が重い
起き上がって歩くのだけど苦しい
もう手の施しようがないのだという
見知らぬ男のひとが
「死んでからお世話になったお礼状を出すリストに
この人も書いておいてください」
と、知らない議員の名が書かれたメモを差し出す
リストはすぐそばにあって
議員の名ばかり
ぎっしりと並んでいた
ボールペンを持って一生懸命書こうとしたけれど
もう、手が震えてしまって文字にならない
死ぬんだ
明日は迎えられそうにない
それに
あたしが ありがとうを伝えたいのは
こんな人達じゃない
おかあさん、
おとうさん、
どこ?
こわいよ
こわい
しにたくない
苦しい
たすけて
誰か!
…過呼吸気味で目が覚めた
たった2時間ほどのうたた寝
友達から電話があったり
外の空気を吸いに行ったりして
すこし落ち着いた帰り道
あれは
昨年死んだじいちゃんのこころが
あたしの中に混ざったのかもしれない と思う
じいちゃんは間違っても父母のことなんて呼ばないだろうけど
身体の中がダメになっている あの感覚
死への恐怖
関東では新暦でお盆を迎えます
日付が変わってきょうは じいちゃんの新盆なのです
書いた人
靴屋 |
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